NiCi 窒素循環社会プロジェクト

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窒素の無駄ない循環を研究しています 研究紹介

NiCiでは窒素資源の無駄ない循環による、豊かでクリーンな社会を実現するための研究を行なっています。その研究結果を実際に社会に活かすまでには大きくわけて4つの過程があります。様々な物質から窒素を抽出・変質させるために必要な触媒の元となるナノ材料を研究する「材料合成」、ナノ材料を用い触媒を作りその品質を向上するための「触媒性能」、触媒の品質を正しく評価するための「分析技術」、そして研究が実際に社会で機能するか検討する「LCA評価」。これら4つの過程を経て私たちの研究が豊かでクリーンな社会に繋がっていきます。

  • 材料合成

    窒素循環型社会の実現に向けて、まず必要となるのが材料の合成です。原料や温度など合成条件を様々に変えて高機能性材料の創出をおこなっています。またフラスコレベルの材料合成だけでなく、社会実装には大量生産できることが求められます。NiCiでは工場スケールでの合成を想定し、大型装置を使用した材料合成にも取り組んでいます。

  • 触媒性能

    次に、開発した新しい材料と既製品の比較を行います。例えば、自動車排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の分解試験をおこない、触媒材料の安定性・NOxの転化率を調べます。他にも工場や畜産業などから排出される廃水を使用して、実際の環境下で開発品が機能を発揮するのかを評価します。

  • 分析技術

    触媒・吸着反応は、合成した材料の粒子サイズや組成など様々な要因に影響されます。これらの要因を解明するためには高度な分析技術が必要不可欠となります。特に、原子レベルの構造の違いを調べられる核磁気共鳴分光法(NMR)、走査型/透過型電子顕微鏡(SEM/TEM)などを用いた新規分析技術の確立も目指しています。

  • LCA評価

    合成した材料を社会実装するにあたって、資源採取から製造、使用、廃棄までのプロセスにおいて環境負荷が低いことが望ましいことは言うまでもありません。実際想定されるプロセス中における環境負荷を調べます(ライフサイクルアセスメント, LCA: Life Cycle Assessment)。これにより、既存のプロセスと比較してより環境負荷の低い窒素循環型社会の実現を目指します。